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日本ワイン勉強会

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 昨日に続いて、職場でお酒の勉強会。
今日は、「日本ワイン」。

 日本のブドウを原料に日本で作られたワインの勉強会ということらしい。
日本のワイン?なんとなく懐疑的。
以前、妹のSちゃんが山梨に旅行に行ったとかでお土産にもらったワインは、
飲んでみたけどお世辞にもおいしいとは言えないものだった。
だから何となく期待できないなあ・・・、という気持ち。

 ただ、勉強会は2日間連続で、昨日の日本酒の勉強会と
いわば「抱き合わせ」だから、しかながない。
勉強会のそもそもの目的も、日本のワインを外国にも紹介するというものだし。

 講師の先生は、ワインの専門家。
まずは、パワーポイント資料を使いながら、
なぜ「国産ワイン」と言わずに「日本ワイン」と言うかについてから説明。

 日本の酒税法によれば、外国から輸入したブドウ果汁を日本で発酵させて作った
ワインや、ワイン自体を外国から輸入して日本でブレンドしても
瓶詰めしたのが日本国内であれば「国産ワイン」と呼べることになっているのだとか。

 ただ、それだと厳密な意味で日本で作られたワインとはいえないだろうということで、
最近、日本で育てたブドウから日本でワインを作り瓶詰めしたものを
「日本ワイン」と呼ぼうという運動があるのだとか。

 ただ、ワイン作りはもともとは地中海地域のように、暖かくて乾燥した土地が
適しているので、カリフォルニアやチリならともかく、
日本のように湿気が多くて梅雨があるよう国ではなかなかブドウの栽培が難しいらしい。
それでも、最近はさまざまな工夫をして日本で作ったワインも
だんだん品質が上がってきたのだとか。

 ふ~ん、なるほどねえ・・・。

 と、いいつつ、先生の説明を聞きながら、まずは白ワイン3種を試飲。
日本のワイン用ブドウの品種は「甲州」が有名だけれど、
まずはケルナーという品種で作られた北海道産のワインを飲んでみる。
香りを嗅ぐと、フルーツの香りがして(ちょっとマスカットみたいだなと思った。)、
飲むと「中甘」でしかも酸味もある。

 それから、甲州でつくられた山梨産のワイン。
「甲州」というのはブドウの品種の名前で、山梨産のワインという意味ではないのだとか。
例えば甲州で作った山形産ワインもある。
こちらは色が淡くて、ちょっと辛かった。
個人的には北海道産のケルナーの方が好みだったかなあ。
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 などなど、色々話を聞きながら、飲んでいると、ついお酒が進んでしまう。
ところが、昨日の日本酒勉強会と違って、おつまみが一切なかったので、
水を飲みながら、おっかなびっくりワインを試飲。
なんとなくほろ酔い気分になってくる。

 赤ワインの説明も、「マスカット・ベリーA」という品種で作ったワインです
とか言うところまでは覚えているけれど、あとは臭いをかいだり味わったりしていて、
採っていたメモもだんだんいい加減になってくる。

 先生は、ワインにまつわる面白い話しもしてくれる。
「今日ここに持ってきたワイングラスは、テイスティング・グラスといって
大きさや形は世界共通です。ワインの試飲はこれをつかってやるのですが、
ワインはとてもデリケートなので、グラスの大きさによっても味が違ってくるので、
こういう風に決められてるんです。だいたいこの3分の1ぐらいまで注いで
香りをかいだり飲んだりします。」
なるほど、なみなみ注いだらいけないらしい。

 「それから、レストランに行くと、ホスト・テイスティングというのがありますが、
あれは、『儀式』みたいなものだから、堅苦しく考えず、ソムリエの方が
注いでくれたら、もっともらしく色を見て香りを嗅いで、一口飲んで
それらしく、ウンウンとうなずいてください。これは挨拶みたいなものなので、
深く考える必要はないんです。」とのこと。

 先生の説明では、かつてヨーロッパでは(中世とか)、
貴族がお互いに客を招待しあったりしていたけれど、
飲食物に毒を盛られて毒殺されるというようなこともよくあったので、
ホストが客に振舞う前に自らワインを飲んで見せて、「毒が入っていない」
というのを示すという意味があったのだとか。

 その後、だんだん毒殺されるなどという心配がなくなった時代でも、
今度は、ホストが、お客に出すワインが傷んでいないか
飲んでみてから勧めるという感じの意味合いを持つようになってきたけれど、
「まあ、でも今はソムリエさんがちゃんとワインを管理していて、
ワインが傷んでいるなどということはまずないわけで、
ホスト・テイスティングは単なる『儀式』、いわば『挨拶』みたいなものに
なったんです。ただ、挨拶もしないようなヤツというのは感じが悪いわけで、
やはり、そこは『お約束』として、ホストになったらとりあえずテイスティングして
ウンウンとうなずいて下さい。」とのこと。

 へ~。

 ここまで説明して、先生が突然、
「まあ、よく質問されるんですけど、
日本はワイン作りには決して適した土地とは言えなくて、
それならなぜあえて日本で苦労してワインなんて作るんでしょう、もっとワインに
適したブドウが作れる地中海地方やカリフォルニアやチリなんかのワインを
買ってきて飲めばいいじゃないかといわれるんですよね。」
みんなし~んとなる。

 「ただ、日本の料理にはやっぱり日本のワインが合うんですよ。
ヨーロッパの重たい料理にヨーロッパの重厚なワインが合うように、
日本のダシ文化の味にはあっさりした日本ワインがあうんです。」とのこと。

 「例えば、一般にワインは生の魚介類には合わないっていわれているんです。
ワインの鉄分と魚介類に含まれる油が一緒になると生臭い感じになるんですね。
お刺身やおすしにワインが合わないのはそのためなんです。
ただ、日本ワインは鉄分が少なくてあっさりしているので、
生の魚介類にも合うんですよ。」
へ~。知らなかった。

 「フランスのワインなんかと生魚や牡蠣なんかを食べるときには、
生魚や牡蠣の方にオリーブオイルと塩をかけたりすると、
ワインと一緒に飲んでも生臭くないっていうのはありますけどね。」

 なるほどねえ。
日本料理とだったら日本ワインも、いけるのかもしれない。

 先生の面白い話しは際限なく続く・・・。

 「昔、ブルゴーニュのワイン生産者の方と、その方のお宅でご飯を食べて
色々お話していたときに、その方に、『ところで、いろいろな種類の畑でいろいろブドウを
生産されているみたいですけど、
あなたにとって一番いいブドウはどこの畑のものですか。
あなたのおっておきの畑はどれですか。』とたずねたんです。
そしたら、それまで陽気に飲んで話していた生産者の方が、突然真顔になって
『君には子どもがいるか』って聞くんです。そして『私には子どもが3人いるが、
ある子はスポーツが得意で、またある子は算数が得意。
末の子どもは絵を描くのが上手。
でも3人とも素晴らしい子達で、どの子が一番いい子か、どの子が一番大切な子か
なんて決められないよ。それぞれ個性があって、どの子も一番なんだよ。』って
おっしゃったんです。そのとき、なるほどなと思いました。日本の畑の日本のブドウ
から作ったワインも、フランスのワインとは育った風土が違うだけで、
どれもそれぞれの個性をもったワインなんだなって。フランスのワインと本ワインを
比べること自体が間違ってるんだって。」

 さすが、日本ワインの講習会に来る先生だけあって、
海外にワインを売り込むための「宣伝文句」みたいなものまで伝授してくれるわけだ!
(宣伝文句と言うと、ちょっと言葉が悪いけど。)
みんな、ほろ酔い気分だったこともあって、
なるほど!と先生のお話に、うなずいたりして。

 結局、すきっぱらに5種類のワインをグラス3分の1ずつぐらい飲んで、
ふわふわと歩きながら、「研修室」を去った。
<今日のプライベート充実度90%>

by makikoai2005 | 2013-03-19 23:45 | 催し物 | Comments(0)
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