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生と死と誕生日とWeddingと...

 昨日は「わ~い!GWだ~!」と慌てて職場を出て、
携帯電話を忘れてきた。
やっぱり不便だし、連休中電話なしというのも困るので
今日とりにいくことにする。

 息子の学校は今日も通常どおり授業がある。
毎週金曜日の朝は、
コーヒー・モーニングとか称して、
図書室の司書のおじさんが、図書室でコーヒーと
自分が作ったお菓子を保護者に振舞うというのがある。
(おじさんは、お菓子作りが趣味だそうだけど、
お店が開けるぐらい、上手!)

 ところが、今日は、ロイヤル・ウェディングなので
司書のおじさんが、いつもより張り切って、
王冠型のクッキーと、カップケーキ、
伝統的なウェディングケーキ(ブランデーが入っているケーキ)
を用意するとのことで、
昨日、保護者に一斉メールされていた。

 夫と息子を送りがてら図書室に寄ってみる。
GWで仕事が休みということもあってか、
すごい数の保護者でごった返していて、
おじさんの作ったお菓子はあっという間になくなっていた。
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 3段組の紙でできた棚に載っていたカップケーキは一瞬で消えた。
クッキーも、ウェディングケーキも。

 夫が要領よくとって来てくれて、
どうにか食べれたけど。
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 甘党の彼はこういうことだけには要領がいい。
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 久しぶりに会った、ママやパパたちとおしゃべりしたりした。
「●●ちゃん、家族は今学期の終わりに引越しちゃうんですって。」
「△△のクラスに、福島で被災された家族のお子さんが入ってきたんですって。」
と、あれこれ。

**************
 それから天気がとてもよかったので、夫と散歩。
普段のGWに比べてそれほど混んでいない感じ。

 実は、今日は夫の誕生日だった。
(実は、本人に言われるまで、忘れていた・・・。)
じゃあ、何か食べたいものでも?と聞いたら、
「何でもいい」といいつつ、
近くに見えた「ハワイヤン・バーガー」のお店を指差して、
「あそこに行きたい。」
え~、と思ったけど、本人の希望なので今日ぐらい聞くことにするか。
お店には、本店にオバマ大統領が訪れたときの写真が飾ってあった。

 その後、「やっぱり職場に戻って携帯電話とって来るね。」
「え~、別にいいんじゃない、連休後に出勤したときで。」
でもそうもいかない。
取りに行くことにして、夫と別れた。

*****************
 結果的には、取りに行ってとてもよかった。
実は、今日も休日出勤している人がうちの課には2人いる。
そっと部屋に入ると、
「あれ?どうしたの?」
「携帯忘れちゃって。」
「ああ、さっきからずいぶん鳴ってたよ。連絡しようか迷ったんだけど。」
とのこと。

 すごい数の着信。
まずは、朝8時に妹のSちゃんの夫君からメール。
「生まれそうなので今から病院にいきます。多分昼ごろになると思います。」
おお!ついに!
そのとき既に12時過ぎ。
もしかしたら今ごろ生まれてるかな?

 で、みると、次に母からの電話の着信がいくつか。
多分、Sちゃんの出産を告げる電話だろうなと思って、かけなおしてみると、
「あのね。おばあちゃんの様子がとっても悪いの。
おじちゃんとおばちゃんがお見舞いに行ったら、
ご家族を呼ばれるといいでしょうって言われちゃったんだって。
今、私も病院に向かってるとこ。」
えええ!!!

 去年の1月に倒れてから何度も危機を潜り抜けて持ち直していたし、
何度も覚悟したけれど、本当にこんな日が来るなんて。
鎌倉の病院までは、職場から2時間はかかる。
間に合うのか…。

 夫に電話して、息子の学校のお迎えをしてもらうことに。
夫にSちゃんが出産間近なことと、祖母が危篤なことを告げると、
「え~!」と混乱していた。
それもそうだよね。
あまりにも両極端な2つの出来事。

**********************
 電車を乗り継ぎ、乗り継ぎ、江ノ電沿線の海の見える病院へ。
もしかしたら、間に合わないかなあ…。
電車の中で、Sちゃんからメール。
「さっき生まれました。」とのこと。
無事生まれたらしい。
出産直後にメールを送信できるぐらいだから、元気なんだろう。


 やっとこ3時過ぎに病院に着く。
海がとてもきれい。
電車の窓から海を見た行楽客が、「わ~きれい!」と声を出していた。

 病室に近づくと、中で人の気配が…。
ベッドを囲んで
おじとおば、母といとこのMくん、Yくんがいた。
ドラマでよく見る、脈拍や血圧をモニターする機器があって、
酸素マスクをつけた祖母がいた。

 どうやら間に合ったらしい!
「おばあちゃん、Mちゃん(私)が来てくれたよ!」と
耳元で大きな声でおじが話しかけている。
 祖母は薄目を開けていたが、酸素マスクをして話せる状態ではなかった。
意識もほとんどないようだったけど、
「おばあちゃん!おばあちゃん!」と何度か声をかけると、
黒目がゆっくり動いたりしていたので、聞こえていたのかもしれない。
「おばあちゃん、Sちゃんに赤ちゃんが生まれたんだよ!
女の子だよ!」と大声で母と一緒に何度か耳元で言った。
 わかったかな。
反応があったような気がした。

 そのあと、脈拍や血圧や、呼吸のモニターを見て、みんなであれこれ
「これって、血圧が結構低くなってきてるってことだよねえ。」
「でもさっきより、脈は安定してるみたい。」
などと一喜一憂しつつ1時間ぐらい。
祖母の手や足を母とおばがさすっていた。

 そうこうしているうちに、だんだんと呼吸の数が減ってきて、
最後には息が止まってしまった。
「看護婦さんを呼ばないと!」
一回止まった呼吸はまた戻ってきた。

 そんなことを数回繰り返すうちに、
本当に呼吸が止まってしまった。
呼吸が止まっても、脈拍はしばらく続いているし、血圧もある。
「お母さん、お母さん、本当に頑張ったね。」と
母が耳元で大声で話しかけていた。
本当に、倒れてから1年4か月も、
一昨日まで食事も食べて、よくもったと思う。

 そのうち、だんだんと血圧が下がって、
「息が止まっても、人って生きていられるってこと?」
「多分、脳死とかそういうことかねえ。」
最後にはドラマで見るみたいに、脈がなくなって、
モニターの線も「ツー」っと横一本線に。

 「これでおしまいだね。」とおじがそっと言う。
ドクターと看護婦さんがそっときて、
聴診器で心臓の音を調べて「ご愁傷様でした」と言った。
午後4時13分だった。
家族に囲まれて、苦しまず、文字どおり「老衰」で、
94歳7か月で静かに逝った祖母。
大往生だと思う。

************************
 病院の人たちが色々支度をしてくれて、
安置所で待っている間に、
いとこのOくんと、千葉の隠居所からかけつけた父が来る。

 病院がくれた葬儀屋さんのリストから
あちこち電話して、ものの1時間で葬儀屋さんが車で到着。
近くの●●会堂へ。

 そこでおじ夫婦と両親がお葬式の段取りを打ち合わせている間、
いとこ3人と一緒に祖母の遺体を前にあれこれおしゃべり。
 「この間の震災のとき何してた?」
「最近会社の景気どう?外国人は帰っちゃった?」
「今度留学するって聞いたけどいつから?」
かれこれ7時過ぎまで打ち合わせが終わるのをおしゃべりして待っていた。

 祖母は賑やかなことが好きだったし、おしゃれで、
我々の馬鹿話にいつも混ざりたがっていたっけ。

 お葬式は、誰にも知らせず、おじの家族とうちの家族だけで、
文字どおり内輪ですることになった。

************************
 すっかり遅くなって家に帰ると、
息子はもう寝ていた。
祖母が亡くなったことも、妹に子どもが生まれたことも
まだ息子には話していないとのことだった。

 夫は、「ん~。Sちゃんの赤ちゃんが生まれたのが昼ごろで、
おばあちゃんが亡くなったのは4時過ぎか~。
順番が逆だったら、きっと『生まれ変わりだ~!』とかいうことになってたかもね。」
ですと。
相変わらずおかしなコメントをする人だ。

 本当に、なんていう日だったんだろう!
姪の誕生、祖母の死、夫の41回目の誕生日、
そして、うちに帰ってテレビをつけると、
イギリスの王子さまのロイヤル・ウェディング。
人生って色々あるなあ。
<今日のプライベート充実度100%>

by makikoai2005 | 2011-04-29 22:26 | 家族 | Comments(8)
Commented by kazempour at 2011-04-30 00:16 x
http://www.youtube.com/watch?v=9GHRftsdlVo
こんばんは。おひさしぶりです。偶然上の曲を聴きながら記事を読んでいたのですが、鳥肌がたってしまいました。長い一日でしたね。
そんな中でプライベート充実度が100%と書くことができることがとてもすばらしいと思います。
この曲、悲しい中にも希望が感じられるモダンクラシックです。もしかしたらMakikoさんの今にぴったりかな、なんて思いました。時間があればどうぞ。。。
Commented by ringo at 2011-04-30 03:53 x
お久しぶりです。本当に、人生の大きな出来事が一気に集まった1日でしたね。おばあ様は大往生されたのですね、妹さんの出産の報告を待っていたようにも思えました。生があるから、死もあるんですよね。今日の充実度が100パーセントと言える、makikoaiさん、おばあ様も幸せだっただろうなと思います。
Commented by kako at 2011-04-30 12:46 x
本当に、人生はいろいろなことがありますね。

旦那さんと、姪っ子ちゃん、お誕生日おめでとうございます。

そして、おばあちゃん、もう会えないのは寂しいけれど、94歳7ヶ月の人生は、すごいです。すばらしい!!
きっと立派な方だったのだと思います。
Commented by Kiyoko-hongkong at 2011-04-30 13:56 x
おばあさま、Makikoさんにも見守られながら天に召され、お幸せでしたね。
姪っ子ちゃん御誕生おめでとうございます。
私には甥姪がいないので「オババカ」の醍醐味を未体験なのですが(祖父母の愛に似た「責任とか不眠なしの、でも血はつながっていて、好きな時に好きなだけ情愛を与える喜び」とか友達は言いますが・・・)かわいいでしょうねー
ご主人のお誕生日もおめでとうございます。
Commented by makikoai2005 at 2011-04-30 23:48
kazempourさん!
本当にお久しぶりです!!!その後いかがお過ごしですか?またそのうちブログとかで近況をお知らせくださいね。
 そうなんです。昨日はとても長い一日でした(というか、ここ数日、いろいろなことがあって、一日がとても長く感じます。)。
 早速リンク、拝見(拝聴)しました。曲もそしてついていたアニメーションもとても気に入り、何度も聞きました。モダンクラシックっていうジャンルがあるんですね。確かに今の気分にぴったりな曲かも。本当にありがとうございました!
Commented by makikoai2005 at 2011-04-30 23:53
ringoさん
ありがとうございます。本当に、生きるってなんだろう、としみじみ考えさせられた一日でした。こういう風な偶然の巡り会わせとかってあるんですね。おっしゃるように、まるで妹の出産を待っていたかのようで、とても不思議です。
 祖母が倒れてから、おばと母は一日おきに一日も欠かさず病院に通っていました。おばは、日誌のようなノートもつけていて、母も、祖母に呼んで聞かせようと本や新聞の切り抜きなんかを持ち込んでいました。祖母はある意味本当に幸せな最期だったと思います。苦しまず、少しずつ体の機能が止まっていったという感じでした。
 明日はお葬式です。本当に身内だけで、祖母のキャラクターに合わせて明るくやろうね、と話しています。
Commented by makikoai2005 at 2011-04-30 23:56
kakoさん
ありがとうございます。人生にはいろいろなことがあるといいますが、まさにそのとおりだなあと思った一日でした。
 お休みの日に祖母が逝って、最期に一緒にいられて本当によかったです。本当に何もかも神さまがタイミングを用意してくださっていたかのようです。
 94歳7か月はやっぱり長生きだと思います。そういう人の血が自分にも流れていえるかと思うと、元気が出ます。
Commented by makikoai2005 at 2011-05-01 00:00
kiyoko-hongokongさん
私は特になにか信仰を持っているわけではないのですが、「天に召される」ってこういうことなんだなあと、昨日は妙に納得しました。寂しいけれど、すごく悲しいとかそういう気持ちはなくて(多分、母もおじおばもいとこたちもそうだったと思います。)、みんながなんとなく「いい最期だったね。」と思える感じのお別れでした。
 今日は、姪っ子をみてきましたが、やっぱり女の子っていいなあ。(われわれ夫婦は女の子が希望だったのでなおさらでしょうか。)おっしゃるように、責任とかがない「タダかわいがり」は悪くないですねえ。私も、姪っ子にアクセサリーとかプレゼントしまくるおばになりそうです(3人息子を持つ、おじおばがまさにそんな感じで、妹と私に、小さいころからあれこれプレゼントしてくれました。)。
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