ギリシャ人がトルコ語を勉強するということ

 最近エジプトでのデモで
デモ参加の呼びかけの手段の一つとして使われたと話題になった
fac●book。
昔の友達を見つけるのにも、
遠くにいる友達に手軽に近況を知らせたり知らされたりするのにも
便利なシステム。

 イスタンブルで最初にトルコ語を習ったときに
B大学のサマースクールで一緒だったS。
fac●bookのおかげで、いまでもときどきメッセージを送りあっている。
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 今朝も、Sからメッセージ。
「元気~?今度、うちの学校で、保護者を対象にしたプレゼンテーションが
あるんだけど、K(息子)が中国語を勉強している写真を送ってくれない?
確か以前fac●book上にあったよねえ。」
確かに、以前、息子がSkypeで中国語をやっている写真とかあったかも…。

 Sはギリシャのトルコとの国境に近いコモティニ(トルコ語ではGümülcine)
に住んでいるギリシャ人。
コモティニは、他の西トラキア地方とともに、オスマン朝時代は
オスマン朝の領土一部だったのが、第1次バルカン戦争でブルガリアに占領されたり
色々複雑ないきさつの結果、1919年にギリシャ領になったところ。
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 10年ぐらい前のことになるが、彼女のコモティニの家で
年末年始を過ごさせてもらったこともあったなあ。
コモティニには、ギリシャ人の他にもトルコ系の人や、
アルメニア人、ロマ人、旧ソ連からの避難民の人なんかもいて、
色々な民族の人が住んでいる。
色々複雑らしい。

 彼女は、コモティニで高校の数学とコンピューターの先生をしている。
「生徒の中にトルコ語を母語とする子が結構いるから、
やっぱりトルコ語ができたほうが何かといいんだよね。」
とのことで、トルコ語を勉強し始めたらしい。
かなり本格的に勉強していて、B大学のサマーコースにも参加していた次第。

 まじめなのだが、他方で人生を楽しむことにも意欲的な人だった。
なぜかいつも私に、「来週いいクラシックのコンサートがあるらしいよ。
あなたの分のチケットもとっといたから。」
「●●の脱毛サロンはすごくいいの。足の指毛とかもきれいに処理してくれて、
持ちもいいから。今度一緒にいこう。」
とあれこれ誘ってくれた。
コモティニはギリシャではいわゆる「田舎」なのだが、
一番近い「都会」はアテネではなくてむしろ「イスタンブル」らしく、
ちょくちょくタクシーをチャーターして、
「ウィークエンドはイスタンブルに買い物+エステ」しているらしかった。

 当時、私は20台中ごろだったけれど、彼女はとっくに30歳を超えていた。
学生や大学院生がほとんどのサマーコースで、数人いた「社会人」の受講生。
体格もぽっちゃりしていて、「熟女」って感じであった。

 仲良くなって、色々聞くと、どうやら結婚して1年もたたないご主人を
病気で亡くしたのだとか。
「人の紹介で結婚した人だったの。結婚してすぐ重い病気だってことが分かって。
しかも、本人もその家族も私に紹介した人もとっくに知ってたのに、
私にはわざと黙ってたらしい。結婚したとたん看病で大変だった。
私、こんな裏切り行為をした夫にも、その家族にも、紹介した人にも
本当に怒ってるの!」とのこと。
「だから、私、残りの人生は何でも自分のしたいことをして、
楽しく生きてやる!トルコ語の勉強も、それから大学で博士号とかもとりたいな。」

 ん~。
色々あったんだね。
で、彼女は、その「やりたいこと」を結構着実に実現しているからすごい。
トルコ語も、その後も何回かサマースクールに参加しているみたいだった。
先日は、5年がかりでやっと「博士号」をとったと言っていた。

*******************
 そんな彼女が、学校で保護者へのプレゼンテーションで使うから、
うちの息子が中国語を勉強しているところの写真が必要?
ん~。どういうコンテクストなのかなこれは。
「近隣諸国の言葉を勉強することがいかに重要か」っていうプレゼンなのかな?
「日本でも、子どもが中国語を勉強しています。
SKYPEを利用するとか、方法はいくらでもありますよ。」
とかいう感じなのか…。

 以前彼女が言っていたのを思い出す。
「アテネの大学に行っていたとき、コモティニ出身だと言うと、
『トルコ人』って悪口を言われたりしたよ。
あそこの地域に住んでる人はギリシャ人でもアテネあたりの人には
『トルコ人』って言われるの。
付き合ってた彼のご家族にも、『あんなところの子はダメ』って言われた。
一種の差別かなあ。」
「でもね、コモティニでは、みんな自分が何系かって、
結構きっちり自覚してて、自分はずっと「ギリシャ人」って
思って生きてきたけどね。」
「トルコ語が母語の子は学校で勉強が遅れがちなの。
ご両親もギリシャ語が分からない人も多いし、
教師やってると、トルコ語はやっぱり必要なんだよね。」
色々事情があるんだね。そういう地域って。
 
 うちの息子の写真が、プレゼンの役に立てるといいけど。
<今日のプライベート充実度80%>

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by makikoai2005 | 2011-02-06 13:49 | 友達 | Trackback | Comments(4)
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Commented by yukikoa2 at 2011-02-06 22:50 x
こんばんは.エジプトのデモの呼びかけにfac●bookが使われていたんですね.わたしは,SNSはもっぱらm●xiを使っていましたが,最近fac●bookも併用するようになりました.かつての留学先であったインドネシアの友人とも,fac●bookでやりとりしています.海外の友人を作ったり連絡したりするのには,やはりfac●bookが便利ですよね.
Commented by Yasasın at 2011-02-07 00:44 x
我が相方はギリシャはクサンティ(トルコ名İskeçe)出身ですが、かの国でのトルコ人の扱いには差別的なものがかなりあると聞きます。バルカンやトラキヤ地方の俗に言うオスマンルの子孫たちというのは現代では厳しい状況にあるのだと思います。
逆にそういうことが理由からなのかそういうトルコ人たちの閉鎖的な面も否めず、です。
今はまだトルコで就学中ですが、その後は帰国を望んでます。経済破綻したかの国でどうやって就職するのか、イマイチ不安ですね。。。
Commented by makikoai2005 at 2011-02-08 00:50
yukikoa2さん
なるほど!インドネシアのお友達とも連絡を取り合っていらっしゃるんですね。
私も以前、m●xiに登録したこともあったのですが、ちょっと使いづらいのと、「足跡」とかいう特殊な機能があったり、それから何といっても、日本国内だけのサービスって感じだったので、直ぐに更新しなくなってしまって、最近は全く放置状態です(笑)。
ツイッターとか、使われている方もかなりいらっしゃいますが、私、どうもあまり興味がもてないんですよねえ(笑)。
Commented by makikoai2005 at 2011-02-08 00:54
Yasasinさん
なんと!彼のお方はクサンティの方でしたか!クサンティはコモティニのすぐ隣ですよね。なるほど、トルコ系の人にはそういうとことでは風当たりも結構強いんでしょうねえ。複雑ですね。
 彼の国の経済の状況はなかなか厳しいものがあるようですが、究極の「手に職」系のお仕事だから、どうにかなるってことはありませんか?そんなに甘くはないのかなあ…。
 まあ、今はどこでも大変ですよね。
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