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くるくるのバレエダンサー

 昨日は、どうにか終電に間に合って帰ってきた。
金曜日の夜の電車は、飲んで帰ってくる人も多くて、
席に座って眠りこけている人もいる。
私も運良く座れて、うつらうつらしていた。

 と、途中の駅から、見覚えのある人が乗ってきた。
Sさん!
そう。「素数のSさん」だ。

 「おお!」とSさんもびっくりしている。
「あ~!Mさん(私の名前)元気?お友達と飲んで帰ってきたの?」
「残念ながら、仕事の帰り。」
「ええ!こんな時間まで?」
とSさんはびっくりしたような顔をしていた。
「あ、でも僕もだ。」
「飲みに行ったどころか、おなかぺこぺこ。」と言うと、
「僕も。おまけに僕の場合、レストランから戻ってきたのに、おなかぺこぺこ。」
と笑って見せた。

 1年半ぐらい前に日本人の奥さんと結婚して日本に来たSさんは、
コンピューター・エンジニアなのだけど、
先日、日本語ができないことを理由に働いていた会社を解雇されてしまったそうで、
今は日本語を勉強しながら、2つ仕事をかけもちしているらしい。
曜日によっては、夜、都内のトルコ料理屋さんに手伝いに行っているとか。

 外国人が日本でやっていくには、それなりに努力と覚悟が必要だよね。
夫はSさんは努力していると言っている。
「日本に限らず外国で生活を立てていくには、我慢が必要だよ。
計画して、あとはこつこつ努力。なかなかうまくいかなくても、とにかく我慢。
どれだけ我慢できるかが重要。でも、人ってやっぱりあせってしまうし、
うまくいかなくても気持ちを前向きに保っていくのってすごく大変なんだよね。」
と夫は言う。
ふ~ん。
夫はときどきAさんとか、Sさんとかに会っては、元気付けあっているらしい。

 「じゃ、またね。ご主人によろしく。」とSさんは途中の駅で降りていった。
世の中、楽な仕事なんてないよね。
残業して辟易していたのだけど、大変なのは自分だけじゃないなと思った。

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 朝からガスの点検の人が来る。
1年に一回、ガスの会社の人が無料でガス漏れとかの点検に来るのだ。
私はおきれなくて、寝ていたら、夫が対応していた。
ベットの中でうとうとしながら、夫とガス会社の人の会話を聞いている。
「お風呂の種火をつけっぱなしにしていると、ガス漏れセンサーが
ガス漏れと勘違いしてしまって、自動的にガスを切ったりしてしまいますから、
お風呂を使い終わったら種火は消してくださいね。」
等々と言われている。
「タネビ?」
「ええ、ほら、ここに小さい炎がみえるでしょ。これが種火です。」
「あ~。これがタネビね。」
そうだよね、種火なんて言葉、知らないよね。

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 午後から夫は自分の会社のオフィスに行って、
息子と私はバレエのレッスンへ。

 息子たちの先生R先生は、イギリスに帰ってビザを更新して戻ってきたらしいのだけど
土曜日のクラスはもうもたないことになったらしい。
オーナーのO先生が、
「Kくん(息子)は、来週から次のクラスに移ってね。
最初はちょっと大変だけど、すぐ慣れるだろうから大丈夫。」と言う。
いつもの時間にレッスンを受けて、終わった後、次のクラスを見学させてもらった。

 次のクラスは小学生のクラス。
10人ぐらいの女の子たちがいた。
先生は先日から来ているM先生。 
「サンクト・ペテルブルグからいらっしゃったの。ワガノワで先生をされてた
一流の先生です。」とO先生は胸を張る。
M先生は、色が驚くほど白くて、やせていて、眼がぎょろぎょろした感じの
女性だった。
「以前、ブラジルで教えていたこともあったので、英語もちょっとだけできます。」
とのこと。
ブラジルで、英語ねえ・・・。

 きびきびしていて、いかにも「ロシア人のバレエの先生」という感じの人。
息子はいつになく人見知りして、たじたじしていた。
小さい声で、「僕、次のクラス行きたくない。」と私に言う。
「あら、大丈夫よ。今日は、どんなことやるか、みていったらいいわよ。」
とO先生は言う。
息子はしぶしぶ承諾。
息子に見学させておいて、私は1時間ぐらい外で買い物したりぶらぶらしていた。

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 帰りに、「どうだった?次のクラス。」と聞くと、
「M先生、すごい面白いよ。だってね、『ヒザ、ヒザ』とか、『アッシノ、ユッビ』
とか言うの。」
どうやら、「英語もちょっとだけできる」ロシア人の先生は、
体のパーツの名前を日本語で覚えて、あれこれ指導しているらしい。
バレエの先生も大変だなあ・・・。
そういえば、やっぱりロシア人のイー●リ先生は、
「ミテミテ!」「キイテキイテ!」とやっていたっけ…。

 ただ、「ヒザヒザ」、「アッシノ、ユッビ」のおかげで
息子は来週からM先生のクラスに行ってもいいかなと思ったらしい。

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 帰りはチャ●ットに寄った。
息子の希望でバレエのDVDを買う。
くるくるのバレエダンサー_c0191625_21521410.jpg

パリ・オペラ座の「ドン・キホーテ」。
ルドルフ・ヌレエフの振り付け版で、
マニュエル・ルグリとオーレリ・ドュポンのもの。

 うちにあるのはどれもロシアのバレエ団のドン・キホーテで、
パリ・オペラ座のDVDは初めて買った。

 早速うちに帰ってみてみると、
ロシアのものに比べて雰囲気がかなりちがう(当たり前だけど)。
衣装とか大道具とかとても豪華。
ダンサーの数もとても多い感じがした。

 じ~っと見ていた息子は、やおら、
「ママ~。この人たちだれ~?」
「だれって、フランス人の人たち。」
「ふ~ん。」
どうやら、ロシア人とは違うということがわかったらしい。
「だってさ、くるくるの頭の人多いんだもん。」
え?
確かに、男性のダンサーでカーリーヘアーの人がすごく多いかんじ。
息子は保育園でお友達に言われたりして最近天然パーマ頭を気にしているのだが、
同じような髪質の人を目ざとく見つける。
「くるくるのバレエダンサーって結構いるね。」
そうだね。
なんだかおかしかった。
<今日のプライベート充実度80%>

by makikoai2005 | 2011-01-29 21:11 | 習い事 | Comments(0)
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